5月25日(木)、2023年度土木学会東北支部総会のなかで授賞式が開催され，当研究室修了生の柾谷亮太さん（2021年3月博士前期課程修了）・川合将矢さん（2023年3月博士前期課程修了）に研究奨励賞が授与されました．研究奨励賞は，年度末に開催される土木学会東北支部技術研究発表会での口頭発表のうち，優れた研究成果を発表した論文の発表者（36歳未満）に授与される賞です．柾谷さんの受賞研究は， 津波堆積物の供給源に着目し，津波特性が海域での土砂移動に対してどのような影響を与えるのかについて検討したもので，数値実験の結果，最大波に先行する引き波や津波高さが大きく最大波の周期が短いほど， 大量の海起源土砂が内陸へ供給されることや，より深い海域から土砂が供給される可能性があることから，海起源土砂の津波堆積物より古津波の最大波に関する情報を得ることができる可能性を示したことが高く評価されました．川合さんの受賞研究は，宮城県石巻市を対象にして，実際の車避難者の実態を踏まえて，車避難に伴う渋滞状況を再現する簡易シミュレーターを構築するとともに，対象地域に在住する住民に同シミュレーターを利用することで，車避難から徒歩避難への移動手段の選択変容の有無を実証したもので，同シミュレーターの利用によって，車避難から徒歩避難に変更する住民の存在が多数確認され，津波避難時における徒歩避難促進と渋滞緩和に寄与するツールとしての可能性を示したことが高く評価されました．

【受賞者】
柾谷亮太（現：NTTデータ）

「津波堆積物の供給源に着目した津波特性と土砂移動の解析」

（ 柾谷亮太，山下啓，サッパシーアナワット，今村文彦 ）

 

川合将矢（現：株式会社オリエンタルランド）
「津波避難時の渋滞緩和のための徒歩避難促進手法の提案：宮城県石巻市における実践例」
（川合将矢，佐藤翔輔，マスエリック，新家杏奈，今村文彦，令和4年度土木学会東北支部技術研究発表会講演概要集）